Original Japanese Tablewawe
粘土を成形し、高温で焼くことで出来上がる陶磁器。最近はおしゃれな飲食店が増え、陶磁器も雰囲気に合わせた色鮮やかなものも多くなっています。陶磁器は焼成の過程でさまざまな色を付けていきます。今回はそんな焼成について「酸化」と「還元」をテーマに紹介します。
まず、陶磁器ならではの工程である「焼成」について紹介します。焼成とは成形した粘土を高温の窯に入れ、加熱する工程です。高温加熱することでより安定した化合物となり、実用に耐えうる強度の陶磁器となります。また、釉薬の化学反応を利用しさまざまな色を表現します。陶磁器の場合、焼成は「素焼き」「本焼き」の2工程あります。(「上絵焼」も行う3工程の場合もあります)
「素焼き」とは、成形し乾燥した粘土を釉薬をかけないまま800℃前後の温度で焼成する工程です。素焼きは粘土内の水分量を減らすことを目的としており、そうすることで、釉薬ののりが良くなることや、本焼きの際の粘土の収縮率が少なくなる為、釉薬が剥がれるトラブルが少なくなるなどのメリットがあります。また、素焼きを行うと粘土内の不純物が燃える為、より均一な出来の製品を制作する際には重要な工程となります。
「本焼き」とは釉薬を塗った粘土を素焼きより高温で焼成する工程です。素焼きより高温で焼き上げる為、素焼きしたものより強度が上がります。一般的には陶器が1200℃~1250℃・磁器が1280℃~1300℃(強化磁器は1300℃)で焼き上げます。また、本焼きを行うことで釉薬が化学反応し色や光沢感を表現します。加えて、釉薬が溶け素地を覆うことで吸水性がなくなり食器として使えるようになります。
素地や釉薬が酸素と結合するかがポイントの酸化焼成と還元焼成。同じ釉薬でも焼成方法が違えば焼き上がりの色も異なってきます。例えば、「織部」の釉薬を酸化焼成で焼き上げると緑色となり、還元焼成で焼き上げると赤色(辰砂)に変化します。また、「黄瀬戸」は酸化焼成で黄色、還元焼成で青色(青磁・御深井)といった具合にさまざまに変化します。昔は窯の煙突から黒い煙が出ていたと聞きますが、極端な還元焼成を行うと黒い煙が出るという特徴もあります。しかし、最近では窯の技術も上がりそういった光景を目にすることは少なくなりました。
普段あまり耳にすることのない、酸化焼成と還元焼成。陶芸体験などで陶磁器を作ったことのある方も焼成についてはあまり気にしていないと思います。釉薬だけでなく、焼き方によって色が決まる陶磁器。焼成を知ると、出来上がった食器の色合いも個性として楽しめると思います。